一人暮らしを始めようとしたら、引越しは絶対に欠かすことができないイベントです。

ただし引越しするには引越し先の部屋を見つけておく必要があるですね。

実際に住むことになるマンションやアパートを借りる際、敷金・礼金も考慮しなければいけません。

「敷金と礼金はよく聞く言葉だけど違いがわからない」

上記のようなことを考えてる人もいるのではないでしょうか?

ここでは敷金・礼金の違いについて詳しくご紹介していきます。

敷金・礼金ってなんのこと?

賃貸として部屋を借り、引越しをするには準備が必要です。
手荷物だけで引越しできるのはドラマや漫画の世界だけ。(設備の整った学生寮であれば可能です)

その準備の中にはお金…つまり初期費用も含まれています。

敷金・礼金は”初期費用”にのお金です。

敷金

敷金

敷金とは引越し先の部屋を「新しい人が気持ちよく使えるための準備金」です。

せっかく新境地での新生活を期待し、一人暮らしをはじめたのに住み始めた部屋が汚れていたり、ボロボロだと嫌ですよね。

そこであらかじめ敷金を支払い部屋のクリーニングに充てます。

  • 部屋のクリーニング
  • 鍵の交換
  • 設備の修理
  • 退去後の修理

敷金の主な使途は上記のようなものです。

自分が入る前にも使われますが、お世話になった部屋を出る際の費用としても使われます。

礼金

礼金は名前の通り、お礼のお金です。

「大事に住んでくれてありがとう」

心のこもった大家からのボーナス…ではなく、入居者が大家に払うお金なんですね。

「住ませていただいて、ありがとうございました」

むしろ部屋を貸してくれたお礼をする必要があります。
つまり礼金(お礼)です。

敷金・礼金は実際にどのくらい用意すればいいの?

敷金・礼金
ここで突然のクイズです。

では、敷金と礼金はどのくらい払えばいいのでしょうか?

  1. 自分の裁量次第で決める
  2. 契約期間内の家賃をまとめて全部
  3. 1ヶ月分の家賃

答えは3の「1ヶ月分の家賃」です。

場所によっては2、3ヶ月の敷金が必要なところもあるので、自分が入居するところの敷金・礼金がどのくらいの期間分必要なのか確認しておきましょう。

ちなみに2のように契約期間内の家賃をまとめて払うことはないので安心してください。

多くても3ヶ月分までの敷金しか必要ないと思います。

また最近では礼金を廃止している物件も。
なぜなら人が住んでくれないと大家の収入にならないからです。

礼金がネックとなり入居まで一歩止まる人もいるんですね。

せっかく入居しそうな人がいるのに、礼金のせいで今後の収入がなくなるなら、礼金を削った方が後ほどメリットがあります。

つまり礼金をなくすことで他の物件と差別化をはかっています。

地域によって敷金・礼金の相場が違う!

地域

敷金と礼金は実際に住む地域によっては相場が変わってきます。

なぜならその土地の価値がそもそも違うからです。

例えば東京と千葉では同じ関東でも、千葉エリアは敷金・礼金が不要の物件が見つかります。

”ゼロゼロ物件”と呼ばれる(敷金・礼金がゼロ)物件の多くは一人暮らしをする人に向けて多く貸し出してるですね。

やはり一人暮らしをするときにはお金がかかってしまうので、できるだけ削れる初期費用は削っておきたいもの。

関西に増えている?敷金と同じ意味をもつ保証金!

敷金・礼金がかからないのは、一人暮らしを始める人にとってはかなり助かります。

それだけ初期費用を抑えることができるので、他の家具や設備に投資することも。

しかし関西エリアの中には、敷金と似た「保証金」が存在しています。(現在は減少している)

敷金は不要と謳っておきながら、保証金としてお金を徴収し、結果的には敷金を支払ったことになるんですね。

ただしインターネットの普及に伴い、ネット状で手軽に家賃相場を調べることができるようになりました。

そのため地方によってことなる商習慣の差異はなくなったんですね。

もし進学したい学校が自分の住んでいる地域にない場合、まずはネットから学校付近の物件を探しますよね。

つまり「あれ?ここの地方だけ敷金・礼金を余分に払うんだ」なんてことが起こらなくなりました。

ゼロゼロ物件のカラクリは?どうして0円なの?

なぜ敷金・礼金が不要のゼロゼロ物件があるのでしょうか。

上述でもお伝えしましたが、大家にとって一番怖いことは人が入ってこないことです。

つまり初期費用に重点を置くよりも継続的かつ長い目での収入を考えているんですね。

  • A物件
    初期費用(敷金・礼金)…10万円
    家賃…5万円
  • B物件
    初期費用(敷金・礼金)…0円
    家賃…5万円

1年間(4月〜3月までの期間を固定)の契約を結ぶと仮定し、A物件とB物件ではどちらの方が儲かるでしょうか。

もちろんA物件のほうが敷金・礼金の分、初月から10万円の利益があります。

  • 12ヶ月×5万円+10万円=70万円(A物件)
  • 12ヶ月×5万円=60万円(B物件)

A物件の方が大家には多くの収入が入ります。

ところが敷金・礼金を設定していることによって、入居者が集まらず、10ヶ月しか入居者がいなかった場合…

  • 10ヶ月×5万円+10万円=60万円(A物件)
  • 12ヶ月×5万円=60万円(B物件)

1年のトータルを見た時に同じ金額を払うとしら、B物件の方がお得に感じますよね。

さらにB物件の場合、敷金・礼金が無しでも元々の家賃を値上することで、A物件よりも多くお金を回収することができます。

  • 12ヶ月×5万円+10万円=70万円(A物件)
  • 12ヶ月×6万円=72万円(B物件)

家賃は元々決められているので、入居者からすると「家賃は払うのが当たり前」と考えているんですね。

しかし「敷金・礼金を払わなくてもすむ」と思えばお得に感じるので、B物件のほうに魅力を感じます。
(家賃が5万円ということを入居者は知らないからできる裏技)

礼金は無しのケースが多いけど敷金はやっぱり必要!

敷金・礼金がないゼロゼロ物件も中にはありますが、やはり必要最低限として敷金だけ支払うことも多いんですね。

礼金は大家への感謝の気持ちを込めて支払う金額ですが、正直大家も人が入ってきて欲しいので、「住んでくれるなら礼金はいらない」となるわけです。

しかし敷金はどうしても必要なんですね。

  • 原状回復費用
  • 部屋のクリーニング代
  • 鍵の交換

エアコンがあればクリーニング代がかかり、一台およそ7000~8000円程度。

結果、部屋のクリーニング代として敷金1カ月程度のお金はかかると思ってください。

注意しておきたいのが「定額クリーニング代」のケース。

「定額」と謳っているものの、含まれるクリーニングの内容がまちまちなんですね。

場所によっては退去時に敷金1ヶ月分以上の金額を請求されることも珍しくありません。

ただし普通に生活していれば何も問題はないでしょう。

  • ペット禁止でペットを飼っていた
  • 室内でタバコを吸って壁紙を全面張り替え
  • 部屋の損壊が多い

上記のように特別な問題がなければ敷金1ヶ月分で退去することが可能です。

契約書をしっかり確認し、どこまでが「定額クリーニング代」に含まれるのか、不明な部分があればしっかりと内容を書き込んでもらうと、のちのちのトラブル防止になります。

敷金・礼金なしの物件を借りるときの注意点!

困った

「安いものには何かワケがあるのでは?」
「敷金・礼金ナシのデメリットもぜったいあるハズ」
「あとから絶対徴収される」

と心配になる人もいることでしょう。

「敷金・礼金があるのが当たり前だと思っている40代50代の世代には、敷金・礼金を払ったほうが安心と考えている人も。

しかしゼロゼロ物件だからといって、はっきりとしたデメリットありません。

初期費用を抑えて、住みたい部屋に住めるメリットのほうが大きいんですね。

ただし敷金・礼金が無しの物件を探していると、選択肢が少なくなるのは事実です。

特に人気エリアでは、ゼロゼロ物件自体が少数なので、物件が見つからないことも多々あります。

敷金・礼金を払うタイミング!入居前?退去後?

お金を支払うタイミング

敷金・礼金を支払うタイミングは入居前に支払います。

なので初期費用なんですね。

敷金・礼金は入居前の賃貸契約時に、不動産会社を通じて支払うのが一般的です。

部屋を借りたいけれど、まとまった貯金がない場合は、クレジットカードを利用することも。
(中には対応していない不動産会社もあるので注意しましょう)

クレジットカード払いであれば、分割払いによる支払い方法なので1回の支払う金額は少なくなるんですね。

また敷金・礼金ナシのゼロゼロ物件であれば、その他の初期費用(前家賃や仲介手数料、火災保険料など)だけで済むので、負担はかなり軽減されます。

実は敷金は戻ってくる可能性がある!

敷金とは部屋を契約する際に、大家に預けておくお金のことでもあるんですね。

つまり礼金とは違って、入居者の手元に返ってくることも。

預かった敷金は入居者がケガや病気などで家賃が払えなくなったりしたときなどにも充てられます使われます。

退去時に返金される場合があり、家賃を滞納することが無く、部屋にも目立ったキズや汚れが無いときは全額返金されます。

ただし注意するのは契約時に「敷金償却」と記載されていた場合は、返金されることはありません。

どういうことかというと償却とは「返金しない」という意味なんですね。

なので敷金償却と契約書に書いてあると、いくら綺麗に部屋を使っていたとしても、敷金は返ってきません。

敷金・礼金がない物件は本当に大丈夫?損してない?

敷金や礼金がないのは、初期費用が少なくなるので、入居者の立場からすると嬉しいものです。

しかしやっぱり裏があるのでは?と思ってしまいますよね。

礼金は単純に大家への感謝の意を記したお金なので、ないほうが入居者からするとありがたいものです。

ところが敷金となるそうはいきません。
入居に必要なお金が必要ないなんてことがあると裏があると疑ってしまう気持ちもわかります。

敷金が不要の物件は初期費用を抑えることができますが、退去時に徴収される恐れがあります。

看板には敷金・礼金は0円と謳っており、実際はクリーニング代として支払うことも。

なので敷金がないからと安心するのではなく、契約段階で大家や不動産関係の人にしっかり確認しましょう。

まとめ

いかがでしたか?

敷金・礼金は入居する物件によって必要か不必要かわってきます。

また1ヶ月分なのか、2ヶ月分が必要かによっても、初期費用が大きく変わってくるですね。

敷金・礼金のことをしっかり理解した上で入居する物件を決めてください。